感性だけでは伝統を生かせません。
伝統的な古い建物って、地震ですぐに壊れてしまうという印象がありませんか?大地震の報道番組などでそんな場面をよく見かけますが、よく見ると、すべての伝統的な建物が壊れているわけではありません。耐えている建物も後ろに見えていたりします。ちゃんと調べれば、壊れる建物には、壊れる理由があるということがわかってきます。感覚や印象だけではなく、科学の目で事態を正しく捉えるということが大切です。
日本を襲う大地震に備えるにはどう対処すべきか?構造力学的な把えかたの基本を学びます。
伝統の構法の基本となっている貫(柱を横に結ぶ材)を用いた骨組みに塗られた伝統竹小舞土塗り壁の耐震特性を、自分たちで拵えた土壁モデルで耐力試験を行い、得られたデータにより伝統京町家の耐震性を解析的に探ってみます。ずいぶんマニアックな授業ですが、やってみれば、なるほど、そういうことだったのかと納得してもらえる授業です。