初めての京都建築学園と京都府建築工業協同組合との合同「削ろう会」を行いました。
学生1年生5名、2年生5名、組合青年部から5名、関係者7名、22名がよしやまち町家の作業場に集まりました。
今回のスペシャルゲスト、レジェンド大工石田良雄さんからご挨拶。今回のために家に置いてあった台湾ヒノキをご提供いただきました。今日となっては大変貴重な材です。心から感謝いたします。
4つのテーブルに分かれ、材の4面を用いてそれぞれカンナの技術を競い合い交流してもらいます。組合青年部の西川さんが学生たちを熱心に指導してくださいました。
青年部の大下さん、全国削ろう会でも実績を出されています。さすがの腕前ですね。
こちらは2年生の島田君、卓越したカンナの腕にレジェンドの細かなチェックが入ります。
福井棟梁が島田君のカンナ屑の厚さを測定してくれました。0.023mm!
驚異の1年生、丸山君。島田君に引けを取りません。0.026mmでした。
丸山君の師匠?数寄屋大工の籏さんがきめ細やかな指導。もっと綺麗な屑が出せるはず。
丸山君のカンナで籏さんが難なく見事な削りを見せてくれました。さすがです。拍手!やたらにカンナを押さえすぎてはいけない、右手でしっかりカンナを持ち、引くこと、だそうです。
島田君、石田さんの助言にしたがい、カンナを研ぎ直して登場。見事です。福井棟梁からお褒めの言葉も。
みんなで組合の会議室で食事。その後でレジェンド石田さんの20歳過ぎの頃に炎上した金閣の再建工事に参加した頃のお話を伺いました。再建工事を仕切った木村清兵衛に、木づくりを命じられたと。天井板や床板を毎日ひたすら削ったそうです。竣工記念の鏡を見せていただきました。
まだまだ仕事したいという石田さんも90歳。手持ちの道具を処分するので、皆さん、お持ち帰りくださいと。みんなで貴重なお道具をいただきました。特殊な手作りカンナがいっぱい!中でも立派な大ガンナは学校にいただきました。ありがとうございます。
石田さんの友人でもある長勝鋸で知られるもう一人のレジェンド、長津勝一さんに石田さんの鋸の中でも1級品という中屋伊三郎の鋸の解説をしていただきました。鋸だけでも30本近くありました。
西川さん「みんな、石田さんから頂いたお道具を家でしっかり手入れして、ちゃんと使っているという報告をして石田さんのお心に報いてください。また削ろう会、やりましょう!」
削ろう会に覗きに来ていただきました木村忠紀棟梁、牧神祭具店の牧君にも厚くお礼を申し上げます。
皆さん、お疲れ様でした。ご協力をありがとうございました。
ぜひまた来年もやりましょう!
(さの)