自分たちでこしらえた格子の耐力を実験しました−2 12/7

2年、フジニワチームのフジイです。7日に行った実験の報告です。

img_1858 縦横格子A (w720*h1720)1/30rad変形時、荷重は2.55kNでした。

img_1860 格子同士がめり込みあっているのがわかります。

img_1876 次に斜め格子B(w720*h1720)1/30rad時、荷重は5.78kN、Aの倍以上の強度があります。

img_1871 こちらはめり込みがありません。筋交い効果で強度が発生しているのだそうです。

img_1874 鴨居を留めている横栓がせん断破壊してしまっています。

img_1889 1/20rad時、荷重は7.68kN。面外に座屈しつつあります。

img_1897  実験終了後、フジニワチームで記念写真です。達成感いっぱいです。

データをグラフにまとめたものです。以下、さの先生にコメントをいただきます。

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さの:皆さん、格子試験体を制作、ありがとう。お陰でよい実験ができました。

AもBもほぼ直線的に耐力が上がっています。これが貫や格子の耐力特性です。

Bの耐力はちょうどAの倍になっています。

特定変形角(1/150rad)での強度は、Aが0.76kN、Bが1.30kNですので、

そのままでは壁倍率換算すると、A 0.4、B 0.8 となります。

(w=0.72m、h=1.72m の格子を w=1m、h=2.73mに換算すると、

A 0.9 B 1.5 となりますので、まずまずの強さの格子と言えます。)

全体の柔らかな構造を考慮すると、1/60radくらいの変形時の耐力を考えてやれば、

A 1.47kN B 3.08kN 壁倍率換算では、A 0.8 B 1.7 となります。

このへんが実力なのかなと思います。

最終耐力(1/20rad)では、A、Bとも最大耐力で、A 3.79kN B  7.68kN です。

Aはまだまだ余力がありそうですが、Bは面外の座屈が進んで1/15rad以上は破壊するかもしれません。

実際に、建具の位置に据え付けるとなると、鴨居や小壁の状況によって、

Aではちょっとした補強で行けても、Bの場合は、かなりの補強が必要になりそうです。

taishintateguこんなイメージです

実際に、島原の町家で利用するとすれば、4枚引き違いの障子の外側2枚にこの格子建具を

しつらえます。その際は、建物全体の必要壁量からすると、Bが良さそうですが、

Bは強すぎて、鴨居や欄間小壁の補強に難点があります。Aでは強度的に不足しますが、

杉をヒノキに変えて、精度の良いつくりをしてやれば、20%ほどはアップするでしょう。

あるいは、Bの格子間隔を大きくして、強度を減ずるという方法も考えられます。

この後、もう一度、今度は実際の1間半のモデルをつくって、試験をしてみたいと思います。

みなさん、もうちょっとご協力ください。よろしく!

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