ロク:今日は「ほんまもんの畳に触れよう」という平成の京町家イベントセミナーにスタッフ参加しました。
ムツミ:畳って、ほとんど何も知らなかったから、めっちゃ勉強になりました。
ロク:まずは京都市の課長さんから平成の京町家の説明がありました。毎回聞いているので、少しづつ理解が進んでます。
ムツミ:うちはまだ理解できてない。普及センターのような伝統型の新築京町家って、平成の京町家なん?
ロク:平成の京町家が目指すのは、伝統の京町家の工夫を今日の長期優良住宅に取り入れたものなんだけど、もう一方で、伝統型もあると。さの先生は、地域の山や職人たちが目指したい伝統型こそ、むしろこれからの新しいモデルであるべきと考えて、この一連の職人さんの技法シリーズをプログラムしているんだ。
ムツミ:畳マイスターの太田さん親子の説明がわかりやすくてよかったな。畳は藁床とい草の表からできている。藁床をつくる会社と、い草表をつくる会社と、それらを合わせて畳をつくる畳屋とがある。
ロク:藁床は滋賀県では1社しかつくってないんだ。それも家内工業。1日に8枚ほどとか。少ないんだね〜。
ムツミ:今はほとんどがボード畳とかスタイロ畳とかなんでしょ。
ムツミ:この3種類の畳を実際に踏んでみて、違いがわかった。
ロク:カチンと硬いもの、ほんわり柔らかなもの、腰のあるものというところだった。
ムツミ:腰のあるのが藁床なんでしょ。
ロク:うん。僕は最初、硬いのがいいものだと思っていたけど、あれは表面的な硬さだった。
ロク:二階に上がって、道具の説明。ここでも親子の掛け合いが面白かったです。
ムツミ:包丁も、針も、危なさそうなものばかりやわ。京都の専門の刃物屋さんで拵えている。こういう昔ながらの畳屋さんがいなくなれば、刃物屋もなくなる。藁床屋もなくなる。
ロク:息子さんの方が端部の仕舞を。一人一人、交替で経験しました。
ムツミ:お父さんが縁付けを。こちらも経験してみます。ほぼ、同じ要領でした。
ロク:後でプロの技を見せてもらったけれども、全然スピードが違った。
ムツミ:あれを今は機械でやっているわけやね。
ロク:その機械が高価で、更新がたいへんなんだとか。機械が壊れたら廃業してしまう。手でやっていれば続けられた店が、機械頼みでつぶれてしまう。京都は伝統の手工業で零細ばかりだけど、却ってそれを守ってやっている店が残るという。大きな工場にしないところが京都なんだ。
ムツミ:最後にみんなで記念写真です。今回も楽しかった。畳表の問屋さんが言ってられたけれども、縫い付ける前の表ならグレードが分かるけれども、縫われた畳では、表のグレードはわかりにくいと。そんなら、あまりグレードの良し悪しなんてどうでもいいということかな?
ロク:やはりいいものとそうでないものとでは、その後の色合いの違いが出てくるそうだよ。
ムツミ:表を裏返してまた使えるなんて知らなかった。
ロク:4、5年で裏返して、10年ぐらいで新しいものと取り替えるのが本来だそうだ。でもおそらく、15年くらいして傷んだ表を貼り替えるのが普通だと思うけど。
ムツミ:最近、折込広告なんかでずいぶん安い表替えの業者があるけど、どうなのかな?
ロク:太田さんが話してたように、あんな値段でできるわけがなくて、ほとんどはオトリ広告だって。注文したら、トンでもないことになったという苦情が多いらしい。やっぱり、よく知っておくことが大事だね。