奥出雲仁王門修復プロジェクト−6 解体部材搬出 4月21日/2024

21日、解体材を積み込む前に、仁王門の敷地を見に山に登った。

杉並木に囲まれた静かな仁王門の参道を眺める。下から真っ直ぐに通っていた道が、住職が車で登るために門の脇を通る道をつくり、現在はそれが町道になっている。なだらかに登る参道にいくらか段になって礎石が置かれている。基壇は最初からなかったようだ。15分くらい時間があるので、スケッチ。

前に、コンクリートのベタ基礎の上に礎石を置き、安定のために地貫をボルトで引き、縁石と三和土でちょっとした基壇としようと提案していたのだが、こうして見ると、あさはかだった。基壇は無いほうがいい。せいぜい道を流れてくる水を止める縁石と敷石程度にしておこう。近年は建物の周囲の喬木を台風などで倒れて被害が出るという理由で伐るようだが、ここでは木立に囲まれ同化した仁王門の風景がいい。木を伐らず、枝を落とすように頼んでおこう。

10時過ぎにトラックが到着。麓の横田八幡神社の前にはすでに多くの参加者が集まっていた。イベント主催者の内田咲子さんが挨拶。トラックに積み込む前に、門の虹梁とその上に乗る蟇股(かえるまた)、右が太陽、左が月、を並べて見納めとしてもらった。彼らは再びここに戻って来られるだろうか?
 
皆で積み込めば30分もかからない。記念撮影の後、咲子さんのお礼の挨拶。ちょうど今日が彼女の誕生日。みんなでハッピーバースデイを唄って祝い、トラックはしめやかに出発。明日、京都の学校に届くことになる。
(さの)