建築科1年生 小美術館設計中間発表  12月19日

後期の設計製図では鉄筋コンクリート造の設計を学びます。その成果を宝ヶ池公園に小さな美術館を建てるという課題をやってもらっています。美術館の見学や建築計画の説明を受けて、各自が宝ヶ池公園に行って自分のお気に入りの場所を見つけ、そこに美術館を構想し、設計します。

11月11日京都建築専門学校の1年生たちを連れて京セラ美術館、「民藝誕生100年」を見る。民藝運動を担ぎ合った人たちに焦点が当てられている。民藝については私の建築概論講義でも紹介しています。

午後から宝ヶ池公園に。めいめいに広大な公園をうろうろしてお気に入りの場所を探してもらいます。天気も好く紅葉の時期でもあり、あちこち目を引く風景があるので、なかなか一つを選ぶのは難しい。

講演の入り口となるこの場所は向かいに比叡山と国際会館を望むメインの場所。平な場所は自由度が高く、毎年多くの生徒が選ぶ。

南側の野鳥の森の谷が池に接するところ。自然に囲まれてとても雰囲気がよく、人気の場所である。

さっそくエスキースを重ねながら、敷地模型をつくってもらい、設計を進める。1か月ほどの間に草案をまとめ、ケント草案で1/200スケールで設計図を起こして、冬休み前の中間発表に臨む。

12月19日、中間発表。敷地場所ごとに発表をしてもらう。

最初にK林さん。野鳥の森の谷に円形の建物を設計。池側の美しい風景を望みながら、全体としては逆方向の谷を見張るかす景観を中庭に呼び込み、展示室は地下に降りて行くというもの。内藤廣の牧野富太郎記念館を参考にしているようだ。

本人の説明の後、講師からコメントを。これをもとに冬休み中、各自でCADで設計を進めてもらう。

もっとも皆の注目を集めたのは、Jackson君の設計。野鳥の森から池の中に伸びる桟橋を通って水面に浮かぶ3つの建物(管理棟、カフェ、展示棟)からなる。神社とも寺院とも見える日本の伝統建築による構成を意図している。

N村君は池の水面の下に建物を沈め、トップライトを石庭の石になぞらえて景観を構成するという案。毎年、湖底に沈める案はあったが、なかなかの意欲作だ。

もう一人紹介しよう。ミラールミネというタイトルをつけた作品。全体が鏡パネルで覆われた美術館。なかなか構成が面白かった。人気のチームラボを意識したとか。

正月明けにどれだけCAD設計を進めてくれるか、楽しみにしている。

みんな頑張ってね。

(さの)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする