重森三玲庭園美術館と旧三井家下鴨別邸をめぐった。今回は学生さんの参加も多くて楽しかった。
庭園美術館は作庭家重森の自宅を美術館としたもので館長さんの丁寧な説明を受けた。自宅は吉田神社の神主の家を戦後買ったものだそうだ。江戸時代の建物でケヤキ一枚板の縁側に驚いた。庭は船出をテーマとするもので、苔庭に林立する青石の前に大船をかたどった石がふたつあった。彼の作庭は動きが身上と考えるが、ここも縁側際の敷石が波型に切り取られており今にも動き出しそうだった。
旧三井別邸は望楼を載せた館(やかた)でなかなかおもしろかった。望楼へ上る階段入り口が木製横引きシャッターになっていて、どうなっているんだろうと学生さんたちといろいろ検討した。まだまだ知らない既存の技術が木造にはあるわけだ。こういうものを作ってみたいなと思った。(講師:円満字洋介)