市民講座Vol.32-2 はじめて学ぶ「古建築のみかた」 10月5日

前半の講座は「茶室建築のみかた」という副校長・桐浴先生の講座。
おもてなしとは茶室では、心でもてなすという考えのもと作られているそうです。

最低限のシンプルな物を残した上で、どうやっておもてなしが出来るのか…。
店主の座るところを低く設計したり、店主の顔が見えるよう変形した中柱を使用したり、釜を置く場所をくりぬいたりするなどをして、
おもてなしを工夫する過程を聞きながら、日頃近くにない「茶室」を身近に感じることができました。

後半の講座は「社寺建築のみかた」元校長・福田先生の講座。
文化財保護法は1950年と、戦後少し経過して比較的新しい法律だということに驚きました。
明治初期にも古社寺を認識していましたが、保護を試みていた年代は400年前の南北朝時代のものと…今では昭和のものが重要文化財になりつつ今日、保護法はまだまだ課題がありそうです。

組み物(建築物の柱上にあって軒を支える部分。)の有無という話で、
伊勢神宮は組み物がなく外部が塗装されていないというのは、7世紀仏教の布教によって用いられたことを知り、だから古い社は基本塗装されていないということを知りました。
他にも現在の平等院の外装は忠実に再現された鉛丹(鉛を主成分とした赤色塗装)を使用しているそうです。

前半後半ともに興味深い講座でしたが、専門用語がちらほら出てきて素人にはちょっとハードルが高く感じましたが、神社仏閣へ赴いた際は「あー、これは雲斗(くもと)、貫(ぬき)と楔(くさび)、あの蟇股(かえるまた)可愛い…」と思いながら改めて見たりすると、社寺の個性を見ることができそうです。(Harumi.I)