大工の仕事 ミニレクチャー by 野村一平君    7月21日  

本日の概論には5年前の卒業生、野村一平君が登場。奈良の(株)伏見建築事務所で大工として6月にお話しいただいた奈良の設計士、岩城由里子さんと一緒に仕事をしています。

今年になって請け負った岩城さん設計の住宅の仕事を担当し、見積もり、工程、施工業者打合せ、材の発注、墨付けなどをやっていると。5年目でできるのですね〜。さすが伏見さん。

小屋組の丸太は自分がやりたいこともあって、設計よりも量を増やして材料選びから挑戦。番付などの文字も筆ペンを慣れない右手で書いていると。

そんなこだわりを入れたので、材の刻みが間に合わず、他の現場の同僚たちに手伝ってもらって間に合わせたとか。いろいろ工夫したりチャレンジしたり、学校時代の雰囲気ままというところが素晴らしい!ちなみに会社では基礎工事も大工たちで行う。寸法の狂いが出ても人のせいにしないよう、全て自分たちの責任と考えていると。いいですね。

最後に会社の大工同僚たちの給料を公開!社長が公開しなさいと。面白いですね〜、さすが伏見さん。ちなみに社長は大工ほど身体を使って仕事していないので、決して大工ほどの給与を見ていないそうだ。それって、本当?

上の表のMさんの生涯所得をグラフにしてみたとか。これがすこぶる面白い。27歳までは昇給するけれども、そこからは一定額になる。やがて独立して、大工以外の収入も得て、57歳で保険組合からの還付金が入って、70歳まで現役を続けると、生涯所得は3億1千万円になる。普通の給与所得会社員よりもいいという夢のある計算だ。大工だって捨てたもんじゃない。そうだね。ずっと健康で順調でいけばいいよね。

伏見社長によると、家を建てる商売としてはハウスメーカーに勝てない。勝つためには質を高めるのだと。その通りです。大工やってよかったと言えるためにも、質を高める努力を続けていきましょう。

一平君、ありがとう。とてもいいレクチャーでした。 (さの)