今日の建築概論のミニレクチャーは大工・工務店の仕事について、卒業生の奥田さんのお話を伺いました。
さの先生の紹介では、卒業26年になるという奥田さん、学生時代はほとんど授業には出ず、事務室でお茶を飲んでいたつわ者ということでしたが、お話はとても面白く、楽しかったです。
ある古民家の改修の仕事を詳しく説明してもらいました。「古いよいものをちゃんと活かそう。」お住いの方とじっくり話し合って、どうするかを決めていくのだそうです。「それに時間を惜しまない。傷んだ柱をきっちり根継ぎしてやると、家の人も感動してくれる。このくらいの仕事となると、1日ではできない」ことも。
「写真の若い大工は6年前にこの学校を卒業した子で、だんだんと色々なことができるようになって、仕事が楽しくなってきたところ。槍鉋もやってみたいと。最近は材木市にも一緒に行く。」
「僕らの頃はまだ製材を教えてくれる先輩がいた。もう今頃はほとんど製材してもらうということもなくなってきている。製材で学ぶことはとても大事。最近はコストがかかることはどんどんやらなくなって来ていて、もう大工の仕事とは言えないし、それでは大工やっても面白くない。僕は面白くない仕事はしたくない。大工が面白いからやっている。面白くなるように仕事する。」
「この頃は土の面白さ、大事さがようやくわかって来た。これは一緒にやっている左官屋がつくってくれた土の色をみる見本。きれいでしょ。とくに女性はこれを見ると喜んでくれる。伝統の家は木と土のコンビネーションなんだ。」
授業時間が過ぎてもなお熱く話し続ける奥田さん。とても魅力的でした。私もそんな仕事をしたいです。ありがとうございました。(2年大工志望のマナでした。)