卒業制作展講評会2022 2月18日

卒業制作展講評会@堀川新文化ビルヂングを行いました。

学生の卒業制作と同時に、プロジェクト3本の発表や
お茶室を中央に設けて来客者にお茶を振舞うなど、盛りだくさんな卒業制作展になりました。
明後日2/20まで開催しております。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

 川本くん (池井ゼミ)

京都市内中心部を走る地下鉄の廃線跡をキリスト教、神道、仏教、イスラム教の地下の祈りの場とする。地上からスリットを通して落ちてくる光が空間をつくる。コメント:宗教的な空間を展示する美術館とした方がわかりやすいのでは?

 

野島くん他(田所ゼミ)

右京区嵯峨野の広沢池と田園に仮設で設けるヴィジターセンター。森のエリア、水のエリア、田のエリアに分かれ、それぞれに耐震壁を兼ねた宿泊スペースを配置する。数種類の木材部材で組み立て、仮設性を生かして配置や形を変えていく。コメント:少し建て込みすぎる感じがするので、おおらかな田園風景を楽しめる工夫が欲しい。古代の建築感があって面白い。

坂本くん (内田ゼミ)

既存の町家をショップ+住まいにリノベーションする設計 コメント:庭にある焚き火施設は室内に炭火などで工夫したら面白いのでは?そのような工夫は近世にも行われて色々に楽しまれていた。

水戸さん (池井ゼミ)

JR二条駅の提案。かつて線路が街を分断した歴史があり、分断をつなぐ一歩進んだ提案。設計では大木造シェル構造の大屋根が架かっているが、模型にはない。コメント:大屋根がなくても空間構成としては十分成り立っている。力作。

 

仁王門長屋の改修(さのゼミ)

左京区の路地奥長屋の改修。壁も屋根も腐って落ちているボロ長屋の修繕を行っている。学生たちだけで基礎、根継ぎ、根がらみ補強、梁、小屋組、屋根、瓦葺き、土壁、窓枠など設備工事を除くすべての工事を行っている。コメント:よく逃げ出さなかったこと!

 

中川古民家の改修(本間ゼミ)

北山杉丸太の生産拠点地として知られる北区中川の丸太生産農家(明治大正昭和の建築)の民家の主屋を改修。床組を直し、改造された部分を復元、屋根を収集した古瓦で葺き直す作業を行った。来年はキッチンなどを改修する。コメント:磨き丸太の加工、乾燥、販売を行っていた典型的な家と工場、倉庫建築の復元には大きな意義がある。この地域を訪れる観光客のインフォメーション施設となって欲しい。

 

壬生川の長屋改修(久保+内田ゼミ)

かなり傷んでいた長屋の主に構造補強を行った。これをベースに続けてテナント業者による店舗改修工事が望まれる。

竹治さん(建築科二部) 曽爾村の漆の森計画 かつて生漆生産が行われていた地域を元気にする施設と計画 コメント:地域の把握と計画は素晴らしい。建築をもっと語ってほしい。

 

講評会の後、学生たちがこしらえた竹茶室席でお茶を楽しんでいただきました。4年前の2畳席を中板を置く席に変えています。この日、京焼き陶芸作家として知られる猪飼祐一氏の茶碗2つを披露。来年は東山五条にある同氏の店を学生たちで改修する予定。

お茶部2年生がおもてなしに努めてくれました。20日16時まで楽しめます。

(磯村/さの)