友人の紹介により、時折、アメリカのプリンストン大学の日本文化研究者であるアンディ先生に導かれて学生グループがよしやまち町家を訪ねて来ます。以前には学生お茶部のよしやまち茶席でおもてなしと意見交換会をしていますが、この日は1時間半ほどでしたので、町家の理解をしてもらいました。
このツアーの希望者80人の中から人数を絞って15人ほどにしてもらいました。まずは近所を歩いて、町家の外観を明治から大正、昭和のスタイルをざっと説明します。
裏の作業場も見てもらいました。土壁のこと、学生たちによる町家改修の耐力壁ユニットの試験体でどういう実験結果が得られるかを説明しました。建築の学生君はともかく、文科系の学生にはどこまで理解できたかなあ。データの解析の詳細はともかく、実験の意味は飲み込めてもらえたようだ。
二階では畳の規格と家の造りについて説明しました。日本の家が畳の大きさを元に設計されていること、畳の標準寸法、標準の大きさによって家の大きさが変わること、畳を小さくすると、家の面積は大きくなることを理解してもらうのが一苦労。近代しか知らないアメリカ人にはわからないだろうなあ。
1階の掘りごたつで一人一人に今見た限りでの町家の特徴を一つずつ挙げてもらい、合わせて町家の定義とするというゲーム?。これ、面白いと先生はじめみなさん喜んでくれました。さすが全米1とも言われる大学、みなさん鋭い観察眼と見識です。とても有意義な時間でした。
とても残念だったのは、私の英語力の無さ。ほとんどすべて日本語に堪能なアンディ先生に説明していただきました。とても平易で本質的な通訳に大いに感心。やっぱり時々は他言語で表現してみることが大事ですね。ありがとうございました。今度はぜひお茶席体験を楽しみながら、伝統の今日的意義について意見交換しましょう! (さの)