景観論ゼミ 宇治 5月19日

伝統建築の見学・宇治の平等院が終了した後半は、
本間先生の担当されている景観論ゼミへ参加しました。


今回の授業は「宇治の景観」ということで京阪宇治駅に集合、16人程が集まっていました。どうやらゼミ生以外も、参加したいとのことで集合場所に集まったそうです。

まずは史跡・宇治川太閤堤跡を知るところから。

昔はよく氾濫した川で、豊臣秀吉は治水事業に取り組むとともに、陸運・水運の交通網も発達させたそうです。

そして卒業制作で作られた宇治の覆小屋を見学。これは皆さんご存知の、頑張って学生達が先生方のサポートの元、新築で建てた覆小屋。私は2年ぶり?の訪問になり、懐かしいと同時に学生が見学する姿を見て、感慨深かったです。

日本最古の喫茶店・通園の当主が宇治橋東詰めに庵を結び、三の間(橋の一部が出っ歯ているところ)から豊臣秀吉の命でお茶に使う水を汲んだそうです。

本間先生曰く、ここの抹茶ソフトクリームは宇治の中で一番美味しいと仰ってました(笑)

残念!4時を過ぎてしまっていたので、宇治上神社の中へ入ることができませんでした…本間先生は宇治上神社が好き過ぎて、ここで挙式したそうです。神社建築としては日本最古と言われる神社ということが、格子の隙間から覗いただけではありますが感じることができました。
本殿は最もポピュラーな構造である流造。桁行五間、梁間三間、檜皮葺きの建物内に、一間社流造の内殿三棟が左右に並ぶそうで、内殿の蟇股は細く美しいとか…次は中を見たいです。

宇治川を挟んであの世(冠水しやすい場所)とこの世(山側)と考えられ、川霧が幻想的で冷涼な土地なので、平安時代から別荘地として宇治は発展していくとのことになるそうです。茶葉には川霧がすごく大事で、昼夜の寒暖差が激しいければ激しいほど香りのいい茶葉ができるため、宇治川の河川敷は茶畑として適しているとのこと。天ヶ瀬ダムが出来たことで、宇治川の氾濫は抑えることができましたが、トビケラが大量発生したと信憑性はないけど言われています。

町家の後ろに大きなマンション…

昔はこの通りは、お茶屋さんの櫓が連なっていたそうで、徐々に近代になるにつれ櫓はほぼなくなってしまったとのこと。櫓が連なっていた頃を見てみたかったですね。

今回は本間先生のお知り合いである山本 甚次郎さんのお茶屋さんの建物の中に入らせていただくことができました!農園での栽培から製茶、流通まで、お茶の製造や販売に関わる茶師として代々受け継いで営んでいらっしゃるとのこと。

今も日本最古の碾茶乾燥炉を使って、お茶を乾燥させて製造されているそうで、写真を見せてもらったんですが、炉…かっこいい。

店舗と工場は国選定の重要文化的景観で、日本遺産にも登録されている建物ではあるけども、これと言って何か特別何かあるわけでもないので、自分で修理して維持していくことの難しさ、維持していためには大工さんの伝統建築の技術の継承が不可欠だと仰っていました。なので皆んな頑張って技術を身に付けて、改修しに来て!とのこと(笑)京都建築専門学校に期待を持ってくださって、そうやって言ってくださることはとても有難いことですね!直しに行けるよう皆んな頑張ろう!


最終地点に行く途中に見かけたほぼ新築の木造建築物。さて、この入り口の位置は正解なのか?建築物として有り?無し?どういう意図でこの向きに入り口を作ったのだろう?そういうことも考えながら設計、建築して景観を大切にしていくことが大切。


最後は中村藤吉本店のところにある「拝観窓」を見学

昔、茶葉の良し悪しの見極めに使われていた拝観窓を約30年ぶりに文化庁の協力の元、復元。採光や換気などのために屋根の上に一段高く設けた越屋根(こしやね)なども復元したそうで、総額約4,100万円かかったそうです。

景観というものは、皆んなで考え続けていかないといけない、終わらない課題だと感じました。そしてその終わらない課題に目を向け、考え、解決・改善するために行動することが、暮らす人たちや建築に携わる者としての私たちの責務ですね。
(Harumi.I)