未来に町家を遺す(祇園内藤工務店)〜建築概論 10/10

建築概論授業に祇園内藤工務店の内藤朋博さんにお話をいただきました。

内藤さんは20年前に本校に入学しましたが、2ヶ月ほどで退学、4年間サーファーをした後、親方について大工修行。4年後、父の後を継いで工務店5代目社長に。

何も知らぬ中、奮闘して今は祇園界隈の町家やお茶屋を改修する仕事が中心。伝統構法をしっかり意識、未来の京都を思い、町家を残そうと努力している。古い木造の家の改修提案に、最近の3Dイメージ技術やドローン撮影などを積極的に取り込んでいる。

一方で、山に材を求め、木取りや製材の楽しみもわかってきた。大きな木の年輪を読み込み、木と対話するのは楽しい。番頭の大工の素晴らしい技術を若い人に引き継いでもらいたい。

今、京都には4万軒の町家がある。これをなんとか5年、減らさないようにして、次の5年で5万軒にする。そのための技術とシステムを構築する戦略を会社として考えている。それができたら、また大工をやりたい。

サーファーから大工、工務店社長、伝統の技術の継承に取り組む内藤さんのなんと意欲的な姿勢に聴いている学生たちも引き込まれていました。とても素晴らしいレクチャーに拍手! 内藤さん、早川さん、ありがとうございました。(さの)