翌朝、奥出雲の宮大工の安部棟梁とお話し。息子君がちょうど学校にいて、棟梁はお父さん。この偶然が私と奥出雲を引き付けた。棟梁もまたかつて京都の宮大工の会社で修行された。
さっそく息子君と一緒に仁王門の実測を始める。
仁王門はいわゆる八脚門で、左右に仁王像がいた。基壇はなく、礎石の上に柱が立つだけだ。道を流れる雨水が土砂を門の前に溜めるので土砂が柱の近くまで盛り上がっている。柱のほとんどは脚元が腐朽菌にやられている。屋根はあきらかに当初のものではなく、簡単な垂木に後でトタン屋根に変えられている。周囲に瓦のかけらが落ちていないところを見ると、瓦屋根でもなかったのかもしれない。
正面側の虹梁には雰囲気のよい彫り物が施されていて、上に日月の蟇股(かえるまた)が乗っている。梁桁も部分的に腐朽があるが、補って再利用できるかと思う。
裏側には蟇股もなく、比較的あっさりしている。
実測を終えて、みなさんで記念写真。ポルトガル人旅行者のジョージ君も手伝ってくれた。
(さの)