奥出雲仁王門修復プロジェクト−7 岩屋寺見学 4月20日/2024

20日に戻る。解体の後、皆と上の岩屋寺本堂に。
本堂のきつい階段を登り、さらに上の階段を上がったその先に鬼岩と呼ばれる大きな岩がある。この山の基底岩となっている花崗岩だ。その上に上がると、眺望がよい。素戔嗚が降臨したと云われる船通山がよく見える。出雲の地を貫いて流れる暴れ川である斐伊川の源流のその先にこの山があるというところが重要なのだろう。山の麓の一帯には棚田が広がり、奥出雲を象徴する景観となっている。
 この岩の根本にちょっとした空間ができていて、地蔵がいくつか置かれている。ひょっとすると、この窪みが窟聖(いわやひじり)と呼ばれる修行僧たちの拠り所だったのかもしれない。そこから岩屋寺という名前となったのかもしれない。
 この岩屋寺の境内には「切開(きりあけ)」と呼ばれる断崖峡谷があり、国指定の天然記念物に指定されているが、そこには窟となれる空間は見当たらない。
本堂の前で記念写真の後、下山し、晩の集会までの間に、奥出雲の名所である「鬼の舌震い」を見に行くことにした。岩屋寺のあたりから車で20分くらいのところにある。
小さい時から図鑑で木曽谷の寝覚めの床と並んで見て知った巨岩の谷だ。鑑賞ルートはよく整備されていて、巨岩好き人間にはたまらない眺めが次々に展開する。
両岸を形成していた花崗岩が割れて崩れ落ちた塊を川の流れが洗い削って出来た奇観というところか。気がつけば棟梁と学生たちの姿は見えない。雨も降ってきたので、さっさと先に行ってしまったようだ。岩好きの人間にはもっとゆっくりと巨岩と向き合っていたいのだが。
(さの)