12月1日長屋改修現場にて。学生たちが自分の作業をこつこつ。
S永君が天井のベンガラを塗る。どんどん暗くなるよ。
S我君がトイレの腰壁板を張る。先に上端の水切りを留めた方がいいよ。
Y田君は縁側の桁を刻み、F君は階段の土壁下地塗り。
私は2階の仕上げ塗り。今日は大きな一面を塗った。
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12月2日放課後夕方から長屋改修現場にて洗面所の壁塗り。頭が当たるので、アーチ状に切り欠く。このアーチを塗るのが難しい。さらさら仕上げ土ではほんの微量ずつでないと、落ちてしまう。型板を2枚用意して一気に塗る方がいいのかな。
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12月4日長屋改修現場の日。10年前の卒業生のM田君が仲間を連れてやってきた。M田君は主に町家の不動産をしていて、驚くことにこの長屋を扱ったのだそう。改修の様子を見て、さぞかし驚き呆れていることとおもうが、こんな素朴なのがいいですと言ってくれた。(さすが不動産屋、口は達者なものだ。)みんな10年の年を顔に染ませてはいるが、基本、何も変わっていない。でも卒業してそれぞれ自分の道を見つけて歩き出していて逞しい。嬉しいね。
土壁下塗りコンビは最後に残っていた壁を塗り、
ベンガラ塗り方はついに天井を真っ黒けにしてくれた。ずいぶん暗くなったぞ。
トイレの手洗い洗面台の原寸型を採る。
下に収納を設けるのだが、扉をどうつけるか、思案の仕所だね。
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12月8日長屋改修実習の日。縁側の桁を加工する者、
掘り炬燵の卓の杉板を切る者、
洗面台の型板をつくる者、
トイレの腰壁の水切りを加工して取り付ける者、壁の下塗りをする者、
京北から届いた泥を篩にかけて漉し、砂とスサを混ぜてちょっと小壁で試し塗りする者。
この土は11月30日に京北山国の古民家での作業の折に家の裏手の山の赤土を掘り出し、桶の水に浸けて掻き回し、沈殿させて上の泥を取ったもの。いわゆる水簸(すいひ)で得た泥だ。
(写真:鵜養慶太)
この土を庭側の壁に塗ってみた。まあまあだ。これを通り庭〜階段、庭に面した壁、トイレの壁に塗ることにした。
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12月11日。学生たちが庭の縁側の桁を作って持ってきた。位置を確認して、今度は束をこしらえてもらう。
位置が出たので、葛石を据えた。石の重いこと。腰が痛い。セメントを使わず、土決めでいいだろう。
トイレの中ではやっと腰板を張れた。寸法を合わせて仕事することの難しさを味わったにちがいない。初めての経験では時間がかかるものだ。ごまかすことなく丁寧にやってもらうのが一番。
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12月15日中京区の長屋改修実習の日。
学校の作業場では学生たちが材のはぎ合わせ加工をのんびり。もっと急いで欲しいな〜。
現場ではトイレの下塗りと巾木の下地の作業。M上君も少しづつ上手くなってきた。
通り庭の配線棚とスイッチボックスをS我君に取り付けてもらう。黒塗りするつもりでフシだらけの材なのだが、白木のままでいいかも。
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(さの)






















