創立記念講演「桂離宮ーその美しさの秘密を語る」7月9日 報告

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学校からすぐ近所にある京都府庁の旧本館は国指定の重要文化財。その中心にある正庁にて、学園の創立66周年の記念講演として、桂離宮について、桂離宮をもっともよく知る斎藤英俊先生のお話が伺えるのは、たいへん喜ばしいことです。公表まもなく、多くの参加希望をいただきましたが、会場に人数の限りがあって、たくさんのお断りをしましたこと、お詫びを申し上げます。

さて、この日は朝から結構な雨が。昼頃にはおさまって、会場はほぼいっぱいに。

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斎藤先生は、桂離宮の昭和の大修理に、文化庁から技官として工事現場に出向され、敷地内に寝泊まりされながら、工事の監修をされておられたそうです。この日の講演では、一般に「数寄屋風書院」とされている桂離宮の建築を、王朝文化の美意識を新たに創出する試みとして、智仁親王の秀吉に翻弄される数奇な人生と、細川幽斎直伝の古今伝授並びに源氏物語の教養から解き明かす前半、桂離宮建築に見られる「綺麗」を主とした個性的な意匠について説明する後半という構成でした。

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前半、古書院、中書院、新御殿と3期に分けて建設される区切りについて、解体工事で判明した番付により、その順番が確認されたこと。中書院と新御殿との繋ぎにつくられた「楽器の間」が、新御殿造立時につくられたものであること。中書院は「御座の間」として、古書院は対面の座敷として用いられたこと。新御殿は、後水尾上皇の行幸のためにつくられたことにより、名称が御殿となっていること。また、後半の桂離宮の工事でわかった杉丸太を生かす技術的な工夫もたいへん興味深いものでした。

IMG_5322 右端が斎藤英俊先生、左端が水本豊弘さん

桂離宮の第2回目の講演は、11月26日、同じ会場にて、工事を請け負われた大林組の監督、水本豊弘さんにお話しいただく予定です。今から楽しみにしております。詳細が決まりましたら公表いたしますので、どうぞご参加をお申し込みくださいますよう。  (さの)

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