市民講座シンポジウム「京のまちに住む。」@ひと・まち交流館 12/10

29年目となる今年3回目の市民講座「木造の魅力」は京都市、平成の京町家コンソーシアム、景観・まちづくりセンター他共催のシンポジウム。「平成の京町家」をめぐるシリーズとしては5回目。「京のまちに住む。」と題し、京都市住宅政策課の岡田課長から平成の京町家の説明に続いて、五島邦治京都造形大学教授による基調講演、町家住まい手4名の奥様、「まちの番人」を掲げる不動産業井上信行氏、そして全員による討論会を行いました。

img_1997 基調講演「京の町衆の暮らしと文化」by 五島邦治先生

平安時代は通りに面して土塀しかなかった。平安末期の『年中行事絵巻』に描かれている町家がおそらく最初のもの。画面左、薄く描かれている。門口に松を立てた正月の風景。

img_1999 町衆という意識が出てくるのは、やはり町家が現れる室町時代から。

当時の公家の日記を見ると、筆職人として名高い町人が狂言をよくして、内裏での催しに招かれて上演している。公家と町衆が文化を共有していた。能の5流は幕府方であるのに対し、公家は町民に門戸を開いていた。公家贔屓と言われる京の町衆の公家との付き合いの一端が見られる。

img_2004 「町家を通してまちに住む」4名の主婦による発表。

町家やろうじが近隣との関係を程よく保ってくれる。特に、小さな子どもをめぐって、ご近所の温かなつながりができる。よその地域とは違って、中心部は町内のまとまり意識は高い。明治にできた元学区という地域単位が持つ意味は大きい。かつて職人街、問屋街だった中心部も、近年、住だけの地域に変わりつつある。町家で店を始めると、また違った広がりの交流が生まれ、まちを活性化する。

井上氏(エステイト信・不動産)によるまちづくりの事例紹介。まとまった空き家長屋に若い人たちのお店を誘致、新たな活気をまちに取り入れる取り組みを行っている。

15409616_1760260367574361_1519658457_o 討論会。

町家の表、通り庇の空間は、まちと家との接点としてとても大事。お店であれば、店土間まで入れるが、住む家の場合は、簡単に入れない。ただ、回覧板などを渡すのに、玄関戸を開けられることが大事。近年は鍵がかけられる家も増えてきている。

img_2041 最近のゲストハウスについて。

周辺と何の関わりを持たず、鍵だけで管理されているのは問題だ。不安もある。まちという視点をもっと意識してほしい。町家物件の紹介において、住宅用とあるのに、ゲストハウス(事業用)にとされるのは、具合が悪い。地域によっては、はっきりと民泊やゲストハウス不可とするところもある。

img_2039 会場から。景観・まちづくりセンター寺田専務

町家にお住いの方々がまちに住むという観点で好ましく思われていることを嬉しく受け止めている。ゲストハウスについても、もっと意識を高めてもらうことが、地域の側も行政の側も大事。もう一つ、既存町家の改築などの届け出の義務化については、条件などで調整しながら、京都のまちのためにぜひ進めたいと考えている。

会場のみなさん、ご静聴をありがとうございました。パネリストの皆さん、ありがとうございました。(さの)

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