伝統町家では土壁が重要な耐力要素となります。
今回復元するトイレも、既存建物の傷んだ箇所も下地からつくりなおして土壁とします。
まずは小舞を支えるエツリ竹の仕込みから。
縦エツリが3本、横エツリが3段貫の上下と間に8本、柱や桁にエツリ穴を掘って差し込みます。
長い縦エツリは貫に釘打ちして固定。
今回つかうエツリ竹は以前に堀川茶室の折に竹林から採ってきた破竹を割ったものです。
次に、小舞竹。
エツリ竹は幅が1寸程度のしっかりした割竹、
小舞竹は5分ほどの細い割竹を用います。
リノベ設計女子チームが頑張ってくれました。
まず縦小舞から編んでいきます。
縄は長さ1mほどに切った下地縄という4~5mm程度の細い稲藁を用い、
縦小舞はアングル巻きという編み方でしっかりと留めます。
間隔は指2本程度1寸2分程度です。
その間に土をこしらえます。
既存の壁を崩して採った土と、以前の平成の京町家を解体した折にとって
おいた土とを混ぜています。そこに堀川茶室の屋根葺きに使った稲藁を
刻んですさとして混ぜます。
小舞がかき終わった時点で、電気配線を仕込んでもらいました。
最近は竹小舞下地土壁に電気配線を仕込むことに電気屋さんも慣れて来て、
いちいち説明しなくてもやってくれるようになったのはありがたいです。
年を開けて荒壁塗りに入りました。
最初は慣れないのでなかなか捗りませんが、だんだん早く塗れるようになります。
まずは耐震的に欲しいところを塗ってもらいます。
男子チームも加わりました。
みんな壁塗りが好きですね。
欄間部分の小舞を編んでもらってそのまま荒壁を塗ってもらいました。
お昼ご飯は表の陽当たりでいただきます。
お疲れ様。この調子でどんどん壁塗りを頼むよ。
(Sano)