午前中1年生建築議論授業にて文化ツアーガイドの勝井まりさん「日本文化の持つパワー」、午後に2年生建築産業授業にて舞鶴市の工務店社長大滝雄介さんのまちづくり活動と工務店経営の相乗効果についてのレクチャーをいただきました。
午前中は勝井まりさんのミニレクチャー
文化ツアーガイドの勝井まりさんは、訪日外国人の全国をガイドができる全国通訳案内士という国家資格をお持ちのスーパーガイドさん。仕事を通して知り合った外国人との交流の中で、改めて感じた日本の素晴らしさを、海外から見る日本の良さを実体験と交えながらお話ししてくださいました。
時間や約束を守る、配慮、おもてなしの心、美の文化、造詣が深い文化etc…いつも外国人の方々がとても驚くんですよ、皆さん知ってます?と笑顔で話す勝井さん。
「生かされている」という言葉。実は英語にするには難しい言葉だそうです。人間は一人では生きていけない、誰かに生かされて自分たちは生きている。今の環境が当たり前に思うけど、とても大切で尊く日本人の精神性に通ずるものだとおっしゃってました。
日本の建築にも日本人の精神がとても現れていること。材質一つについても丁寧に大切に扱い、全体の調和をとりながら作り上げていく。主客一体の精神のもと作られた日本の建築物は、世界に誇れる技術と精神だと。そんな要素を持った学生さん達に、どんどん活躍して欲しいと言ってくださいました。
学生達、頑張れ!(Isomura)
午後からの大滝雄介さんのミニレクチャー:
京都府北部で知られた大滝工務店の大滝雄介さんは千葉大建築卒、東京で大手企業に就職するも、突然の父社長が倒れ、跡を継ぐことに。田舎が好きではなかった大滝さん、舞鶴に帰ってみれば、子どもの頃から見慣れていた港の風景に思わず、これはいい、残さねばと。奮起して借金漬けになっていた会社を数年で健全化。その傍らで会社に内緒で空き家を活用しようと、仲間とまちづくりの社団法人を立ち上げた。補助金を集めて改修工事を工務店で引き受け、不足分は自分で出資して、竣工。折からのゲストハウスブームに乗って、次々と活用事業を展開。前から会社で所有していた土地をカフェと住宅地に開発、その後の諸々の活動の拠点として活用している。
現在、工務店経営とまちづくりとの相乗効果を確信、クリエイティブな人材を集めて多方面の事業を行っている。もともと府北部の数少ない古社寺文化財の修復を行っていた中で、高度な手仕事で為す文化財修復の仕事が、カッコいい職人を養成する場でもあると、存続の意義を認めている。
とにかく行動的で魅力的な工務店経営に2年生たちも引き込まれた様子。さっそく会社に興味を持ち、見学希望の学生が手を挙げ、訪問したいとのこと。いいですね〜。こんな元気な建設会社が日本の地方都市にどんどん現れて、日本の地方を元気にして欲しいものです。大滝さん、ありがとうございました。(SANO)