8月24日例年の日本建築学会近畿支部との共催イベント「親と子の土壁教室」を開催しました。皆様のおかげさまで今年で第20回を迎えることができました。もともとは阪神淡路震災を契機に神戸、大阪、京都で親子建築教室の企画から始まったものでした。今回は12組34名の親子さん、委員の先生方、大学院生たち、京都建築専門学校の1年生らスタッフ15名、総勢50名ほどの参加です。
京都大学の岩本先生、仁井先生による土壁のお話し。土壁のいいところとして、①湿度を調整してくれる、②大きな蓄熱特性による温度調整、③火事にとても強いの3つを挙げて説明していただきました。
午前中は小舞編み(正しくは小舞かき)。下地縄を腰に下げる浦島太郎ルックがここでも人気でした。ほぼ1時間でみなさん編み終わりました。途中で水分補給のお茶タイムをとります。
お昼ご飯を食べてからよしやまち町家の見学を経て、午後から荒壁塗り。今年は皆さん表側だけでは物足りなかったのか、裏塗りも。
出ました!鏝を放り出して手で塗る光景!これをもっと拡げてもいいかもと思っています。わが国ではあまりに職人の高度な技術ばかりを求めすぎて、もっと原初的な土との対話を忘れているのではないかと思ったりしています。縄文の感性を思い出していいのではないかと。
みんな塗りあがり、子どもたちも一緒に道具を洗ってくれました。これもとてもいい光景ですね。
最後に佐伯棟梁の中塗り仕上げの実演です。するすると鏝を縦横に動かす動作に、みんな釘付けになります。このゆるゆるするする撫でる動き、そこで生まれる平らになる柔らかな土の表情に癒されますね。子どもたちも黙って見守ってます。塗り終わってみんなで拍手!
子どもたちも壁に近づいてしげしげと覗き込んでいます。佐伯棟梁が触ってごらんと声を掛けると、手を押し付けて手形を残す子が出てきて、私もと子どもたちが次々に手形を付けます。その跡がなかなか素敵でした。
また教室に戻ってお茶を飲んで、京大生たちのスケッチとおさらいの後、子どもたちめいめいに感想を語ってもらいました。いつものことですが、子どもたちよりも親が一生懸命になり、よかったと話してくれます。最後にちびっこ親方認定書の授与式。うっかり全員の記念写真を撮り忘れてしまってました。学会の事務局はじめ委員のみなさん、学生スタッフのみなさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
(さの)