京北森林組合倉庫建設ー22  階段製作と取付@京北森林組合倉庫建設   8月16〜29日

さて、次に階段です。ここではもっとも単純な側桁階段ですが、現場の寸法をきちんと読み込んで墨をつけるのがなかなか難しい。柴山君がルーバーを拵えている間にさのが墨付けしています。現場で実寸をメジャーで測定するのですが、型板と合いません。墨付けを2度やり直しました。

原設計にない最初の一段を踊り場としてこしらえ、そこに2段目からの階段を取り付けるように変更しました。その分、ちょっとだけ勾配を緩くすることが出来ます。踊り場を3段目にするともっと緩やかでいいのですが、途中の梁に頭を打ってしまうので、1段だけ踊り場で稼ぎます。踊り場は階段を繋ぎ止めるのにも有効です。

8月17日柴山君が階段を彫り始めています。相変わらずノミでこつこつ。

こちらは私が彫っているところ。丸鋸をつかってます。この方がやはり2倍以上速い。なにしろ14段分の穴を両側に開けるのですから、たいへん。

流石に疲れてきたのか、柴山君も途中から丸鋸を使って彫っていました。

なんとか両側の側桁の彫り終了。14段の内、4段を2枚の鼻栓で抜いています。裏表の墨をきちんと合わせるのがなかなか難しいです。案外、狂いは小さく済みました。

段板を伐り、鼻栓を加工しています。段によっては、壁側の間柱や柱に当たるところが出て来て、位置を調整しています。

鼻栓付きの段板が出来たところです。こうして両側の板に合うように調整します。

もう片方の側板にも口を合わせ、組み上げます。まずまずうまくいきました。鼻栓を打って階段が出来上がりました。やれやれ。ここまで墨付け1人日、穴掘り2人日、段板加工1人日、口合わせ2人日、合計6人日かかってしまいました。

8月21日、階段が取り付く北面に木摺板を打ちますが、その前に2階の床板レベルに合わせてボーダーを付けてもらいます。柱や間柱、壁下地などの凸凹に合わせて板を加工し、取り付けるなかなか厄介な作業を柴山君にやってもらいました。板を支えるブラケットを取り付けて板を載せて、寸法を拾います。次の日に木摺板を打ってもらいました。これで階段が取り付けられます。

8月26日、土壁塗りの応援に1年生2人が来てくれたので、手を借りて階段を取り付けることに。重い階段は4人いるとありがたい。ロープで吊り上げるために、上の梁に滑車を取り付けてロープで引き上げました。最上段の16段めの段板を前日に柴山君に取り付けてもらっています。写真は15段目の段板に梁のボルトが当たるので、削っているところです。

一番下の踊り場を調整して、階段に差し込んで、やっと納まりました。やれやれです。みんなで拍手!ほんとにたいへんでした。

8月30日1年生の末永君が手伝いに来てくれるので、手摺を製作します。まずは手摺子を取り付けます。設計はビス打ちですが、あまりなので、2分のコーチボルトを座彫りして打つことにしました。丸鋸もインパクトも座彫りも、すべて初めての経験という末永君、こつこつとよくやってくれます。

手摺子に手摺を付けて、末永君に2階の手摺を付けてもらっている間に手摺子を手摺の上面に合わせてカット。

手摺子は原設計の意図を汲み、最上段を鉛直に立てて脇の柱に水平材で結ぶイメージだったけれども、鼻栓と当たって柱と面合わせに出来ない。手摺子ではなく、手摺に水平材を接合。案外、これがいい感じに見えます。ただし、手摺子は他と同様に側桁と垂直にした方がよかった。先にこの納まりのイメージがどうして出来なかったか、反省。

あちこち飛び出た部分をS君に切り落としてもらっています。長津さんのアサリの無い鋸がこういう時に本当にいいです。余分な力をいれなければ、素直にまっすぐ切れていきます。これで階段は完成です。みなさんお疲れ様。ありがとう。次は土壁塗り作業の紹介をします。

(さの)