伝統建築研究科生のkatsukiです。研究科での演習で島原の町家の改修案を設計するという課題があり、担当のさの先生にお付き合いいただき、再度町家を訪ね、以前の見学会で見られなかったところを見せていただきました。
私:この2室をつなげて料亭のカウンター席にしようという設計です。
私:現在、こんな感じで透視図を描いているのですが。
さの:黄土の欄間の小壁が印象的だね。右の手前にもそれをあり壁にして上の一部でいいから引っ張ってきたらいいかな。
私:なるほど、その方が2室がつながりが出ますね。
さの:カウンターがちょっと大きくでしゃばりすぎかな。
私:奥行きを75cm取りました。
さの:45~50cm くらいでいいんじゃないかな。カウンターの受けが見えているのはいただけない。板厚も薄くして軽く浮かしたい。
私:畳の敷き方ですが、現在のものをそのままにして、座るところに板を敷いてみました。
さの:板の上に座るのっておかしいよね。畳を縦にして目一杯畳にしてみたらどうかな。
私:厨房の通り庭に窓を設けたいです。
さの:それはいいね。通り庭には半間ごとに側柱が立っていて、それが風情になっているので、それは生かしたらいい。
私:これが内の玄関、式台部分です。これは素晴らしいので、このまま生かします。
さの:そう、この家の顔だよね。ここから上がって右に入ると、先の2室つなぎのカウンターに通じる。
私:はい。その際に、左のふすまから廊下伝いに奥の部屋に通じます。
さの:元のお茶屋の動線を使うわけだ。
私:これが手前の玄関から口の間を振り返っているところです。この6畳間をちょっとしたカフェ的な店にしたいと計画しています。
さの:なるほど。別の店のようにするよりも、土間にしてテーブルと椅子の寄り付き、待合のような空間にしてはどうかな。
私:その方が自然ですね。この6畳間を押入れを取って8畳にして、吹き抜いて、2階にある3畳の小部屋をお茶室に仕たてて、それを下から見上げたらいいなと。
さの:なるほど、それはいいかも。
私:2階にある北側の窓を生かしたいので、そこに通じる細い廊下を2階に作りたいです。
さの:それは面白い。ちょっと透視図にして描いてみようか。
私:なるほど、こんな風になっているのですね。私には床の構造が見えていませんでした。
さの:木造建築を勉強すると、わかって来ます。伝統の建物は、構造が綺麗なので、それを素直に見せたらいい。
私:ところどころ、天井を張って、梁組が煩さになるところを隠しているのですね。
ありがとうございました。