京都建築専門学校・1年生、夜間学生として唯一、夏休みの合宿に参加させていただいたTanimotoです。 8月7~11日に京北・中川で行われた合宿ですが、そもそもなぜ中川で?と思っている読者がいるかもしれませんし、いないかもしれません(笑)。実は、京都建築専門学校非常勤講師の本間智希先生がこの機会を作ってくれました(ありがとうございます!)。奈良文化財研究所景観研究室のアソシエイトフェローとして活動されていた時に、北山杉の里・中川の文化的景観の調査研究を行っていたのですが(詳しくはこちらから)、独立された今でも、ご本人が代表を務めている一般社団法人・北山舎を通じて中川での活動を続けておられます。現在、本間先生が動かしているプロジェクトに木匠塾として関わらせてもらえるということで、中川で開催できることになりました。
「中川木匠塾」の一環で実施した「法人の家」改修作業や「モリスガの家」改修の作業内容は、過去の投稿を通じて既にアップしましたが(これらのブログ投稿はこちらから)、実は初めの2日間では、実測作業も行っていました。夜間学生としては、前期に、建築測量の科目で城市先生から平板測量のセオリーを教わっていたため、実際授業で習った器具を使って、測量できるということで、とても楽しみでした! 初日は現場に着いてから直ぐ、Tadaと私は小野郷の林業倉庫を対象として、実測のノウハウを教えてもらうことになりました。一般社団法人・北山舎のメンバー数人も実は合宿に参加していまして、そのうちの1人、設計事務所を営んでいるMatsuokaさんから丁寧に教えてもらいました。
測板、三脚、アリダード、求心器、ポールとテープの使い方に慣れながら、測量機器の据え付け方、実測方法を実践しながら、習いました。最初は正直「大丈夫かな…」とやや不安でしたが、一回説明してもらったら、比較的分かりやすいかつロジカルな作業であるおかげで、すぐ吸収できた…と思います…。 私たちが精一杯、実測の基本を理解しようとしている最中、他の北山舎のメンバーはサクサクと倉庫の断面を実測していました。
午後になってからは、使っている器具にも慣れ、ドンドンとペースをあげました。以下の画像では、ちょうど、求心点と林業倉庫のある点の間の距離をテープで測っている最中です。両点の間に、障害物がないこと、求心点から実測する点を視準ができることは、私たちの環境上、条件でした。
1日実測し続けたおかげで、作業に慣れたため、翌日は指導なしで、他の建物の実測をすることになりました。 8月8日、合宿二日目、泊まらせていただいている民家と現場の間にある中川八幡宮を綺麗にしてから、作業を始めることに。赤いTシャツをきているのが私で、門の足元を掃除しているのが、新しい実測チームメンバー、宮崎出身のKariya。同じタイミングに起床して、一緒に、同じ目標に向かって掃除してから作業したおかげで、この後、効率が高いチームワークに繋がったであろう。きっと。
Kariyaは実測が完全に初めてだったため、僕が「指導者」の役割に回ることに。いきなり「教える方に」回ることに対して、少し不安でしたが、さすがに前日に教わったことはちゃんと覚えていて、順調にノウハウを共有することができました。そして、重要点を説明し終わったら、休憩も兼ねてお手洗いに行って、帰ってきたら、Kariyaがこんな立派な「実測者」の姿になっていました。
この日、実測の対象は中川の北山型民家でした。前日同様、私たちが建物外から実測を進めている間に、中では、Murayama、Hashimotoと他の北山舎メンバーは平面・断面を実測していました。dot architectsで設計をされているDoiさんに知恵を借りながら実測を進んでいたことには、さすがに嫉妬です!(笑)
この日は日差しがとても強かったので、水分補給を忘れずに着々と実測を進みました。最低限でも大丈夫と指示を受けていましたが、お互い夢中になったのか、アクセスしにくい裏のまで回り、実測を完成しました。
授業を通じて、既に理論的に勉強していた平板測量を、実際にできたことが、私にしては、大きな収穫でした。やはり、どれだけ分かりやすいコトであっても、実際自分でみる・やることで、初めて知見・スキルは身につくのだろうと思わせてくれる体験でした。(Tanimoto)