秋の見学旅行−1 竹中大工道具館 茶室一滴庵  11月26日

毎年の秋のバス見学は神戸方面で、いつもなら旧山邑邸に行くはずが、コロナ以降は団体はお断りとあって、竹中大工道具館へ。

学芸員の坂本さんのご案内で茶室の一滴庵を見学させていただいた。桐浴先生の説明つき。折しも秋色豊かな六甲の山が庭に取り込まれていた。もともとはこの敷地に竹中工務店の本社屋があり、藤井厚二もこの場所で勤務していたそうだ。

一滴庵はもともとは会長が名工笛吹嘉一郎につくらせたもの。現在のものは震災や道具館建設にあたり、安井杢工務店によるものだそうだ。
縁側と軒裏とで小丸太を通しているように見せているけれども、高さが違っていて、天井の収め方も異なっている。
  
こちらは7畳広間の茶室「啐啄斎」。
学生たちは外腰掛けでもう満足という表情。この竹の一本一本へのこだわりを見よ。
随所に細部へのこだわりが見えてくる。あるいはもう少し時がたって自然になった方がいいのかもしれない。土壁も錆びてよくなって欲しい。
 
一滴庵は大徳寺にある蓑庵の写し。蓑庵といえば真っ黒に錆びた壁だが、ここは赤い土がまだ生々しい。表はずいぶん錆が出て来ているのだが。
 
茶室から露路を抜けて本館に戻る途中の庭にモダンな拵えが目立っていた。御影石の彫刻作品のような、白川石の波紋と相まってつくばいの樋を思わせる石のしつらえは、とりわけ外国人に好評だそうだ。
(さの)